テストや旅行、大切な予定等と生理が重ならないように、中用量ピルを用いて生理日をずらすことが可能です。
ずらしたい時期と来院のタイミングによって、次の生理を早める方法と遅らせる方法があります。月経移動後の生理周期は中用量ピルの影響で乱れることがあります。
また、薬の反応には個人差があるため、必ず希望通りの月経移動が実現できるとは限りませんのでご了承ください。特に月経不順の方はうまく移動が出来ない場合があります。

当院受診歴のある再診の方はオンライン診療での処方も可能です。是非ご活用ください。
当院初診の方はオンライン診療での処方が出来ません。外来予約の上、ご来院ください。

受診のタイミング

月経移動を希望する日程が決まったら、1-2か月前に受診相談されることをおすすめします。
ずらしたい生理の直前来院ですと、月経移動が間に合わない・確実に移動が出来ない場合があります。遅くとも、ずらしたい生理開始日の10日前にはご相談ください。

使用するピルについて

月経移動には中用量ピル(プラノバール)を使用します。
中用量ピルは低用量ピルと比べて、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの含有量が多くなっているため、効果が強い一方で副作用の頻度も上がります。
月経移動のように短期間の内服時のみ使用します。

現在低用量ピルを内服されている場合、ずらしたい日程や内服している低用量ピルの種類によっては、月経移動できる場合もあります。
※ずらしたい日程によっては低用量ピルでは移動ができないことがあります。

月経移動の方法

月経周期や月経不順の有無などにより、内服開始日や内服日数が異なります。
多くは7-14日程度中用量ピルを内服します。内服終了後2-7日前後で生理が始まります。

生理を早める場合

移動させたい月経の1つ前の月経開始より5日目までにピルの内服を開始します。
約10日中用量ピルを内服し、内服終了後2-5日目後に月経が来ます。

生理を遅らせる場合

移動させたい月経の約5日前よりピルの内服を開始し、来てほしくない日程までピルの内服を継続します。
一般的には10日程度まで遅らせることが可能です。

副作用

悪心(吐き気)、嘔吐、頭痛、乳房の張りや痛みが起こる場合があります。
一番注意したい副作用として血栓症があります。
血栓症とは、主にふくらはぎにある深部静脈に血栓(血のかたまり)ができ、頭や肺などの静脈が詰まり、状況によっては生命にかかわります。
血栓症の症状は以下の通りです。症状がみられたらただちに近くの救急外来を受診してください。

・激しい頭痛、めまい、失神
・視覚障害(目のかすみなど)
・言語障害(下のもつれ、しゃべりづらい)
・ふくらはぎの痛み、むくみ、しびれる感じ(どちらか片側に起こることが多い)
・鈍い胸の痛み、突然の息切れ、押しつぶされそうな胸の痛み


血栓症予防のために、月経移動ピルを内服中はしっかりと水分摂取をしてください。
長時間同じ姿勢で体を動かせない状況も血流が悪くなり、血栓症のリスクが高まりますので、定期的に足を動かすなどをしてください。
飛行機の中など体を動かしづらい時には着圧ソックスの使用を推奨します。
※当院では事前WEB問診にて、血栓症リスクの有無について確認していますが、必ず回避できるわけではありません。あくまでのご本人判断での内服となります。

※受験等を目的とした中高生の月経移動については、副作用を考慮し低用量ピルの使用を勧めますので数か月前には外来にてご相談ください。

処方にあたる注意(ピル禁忌)

以下の方は、血栓症/乳がん/心筋梗塞/脳卒中等のリスクを考慮し、ピル処方禁忌に該当するため、ご来院いただいても処方ができませんのでご了承ください。

初経前/50歳以上/閉経後
喫煙者(35歳以上で15本/日)
高血圧/心疾患/肝疾患/糖尿病(腎症・網膜症)の合併症がある
妊娠中または妊娠可能性/産後6か月以内かつ授乳中
過去2週間以内または今後4週間以内に手術予定がある
目の前がチカチカする等の前兆を伴う片頭痛がある

(※前兆がない片頭痛がある方は慎重投与)
乳がん既往(5年以上再発なければ慎重投与)がある
血栓症既往又は血栓性素因(抗リン脂質症候群)がある


※40歳以上の方は上記処方禁忌の該当項目がなくても慎重投与となります。自己責任にて内服してください。

料金

保険適用外ですので自費でのご案内です。
患者様の状態によってお薬処方が出来ない場合でも、初・再診料は別途発生します。

●外来:5500円(診察料込)
オンライン診療6600円(診察/郵送/システム利用料込)※お薬を郵送します