子宮頸がん検査は結果によってご案内する精密検査の内容が異なる場合があります。
検査方法や、結果異常時の精密検査内容などをご紹介します。
また、コルポスコピーは検査に使用する機材や医師の技量により、実施できる医療機関が限られます。当院では施行可能ですので、検査の結果必要となった方は当院へご来院ください。
〇子宮頸がん検査
〇子宮頸がんの結果について
〇精密検査(ハイリスクHPV検査)について
〇精密検査(コルポスコピー)について
子宮頸がん検査
◆子宮頸がんと発症原因
子宮頸がんとは、子宮の頸部の表面の細胞にできるがんです。
子宮頸がんのほとんどは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が原因であることが分かっています。HPVは主に性交渉により子宮頸部に感染します。
性交経験のある女性の50-80%は、一生に一度は感染機会があると言われています。
HPVに感染しても90%の人は免疫の力で自然に排除されますが、10%の人は感染が長期間持続します。
このうち自然治癒しない一部の人は異形成と呼ばれる前がん病変(がんになる前の状態)を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。
◆検査方法
腟の奥を観察するための器具を入れ、子宮頸部(腟の奥側、子宮の入り口部分)を観察します。
子宮頸部を柔らかいブラシで数回こすり、細胞を採取します。子宮頸部をこすられる変な感覚はありますが、痛みはほとんどありません。
子宮頸部の粘膜が出血しやすい人は、検査の刺激で出血が滲むこともありますが、基本的にはおりものシートに間に合う程度です。
長くても数日で出血は止まりますので、心配はいりません。特に異常がなければ、診察は2~3分ほどで終了します。
子宮頸がん検査の結果について
◆結果表記の意味と分類
子宮頸がんの検査結果は、これまでクラス分類Ⅰ~Ⅴの5段階で表記されていました。
このクラス分類は微妙な異常を分類しきれず、診断の見落としにつながることもありました。
そこで従来のクラス分類に代わる子宮頸がんの新しい細胞診報告様式として、国際分類である「ベセスダシステム」に基づいた分類で表記しています。
◆結果に伴う検査の流れ
子宮頸がん精密検査
①ハイリスクHPV検査
HPV検査は感染の有無のみを調べる検査(ハイリスクHPV検査)と、感染している型を判別する検査(HPVジェノタイプ)の2種類があります。
子宮頸がん検査の結果、ASC-USとなった方は、
ハイリスクHPVに感染しているかどうかを確認する検査を行います。
※上の図だと『HPVハイブリットキャプチャー』に当たります。
あくまで感染の有無を調べる検査ですので、
この時点で型の判別までは行いません。
陰性:半年~1年後に再度細胞診(子宮頸がん検査)
陽性:コルポスコピー検査に進みます。
子宮頸がん精密検査
②コルポスコピー
コルポスコピーとは、頸がんが発生する部位(外子宮口)を特殊なカメラを用いて詳細に観察する検査で、所見に基づき病変が疑われる部分をごく一部採取します。
採取した組織により、軽度異形成・中等度異形成・高度異形成・上皮内がんなど確定診断し、それに基づき今後の治療計画を立てます。
手術が必要な場合は、連携病院へご紹介します。
◆当院施行実績
コルポスコピーは検査に使用する機材や医師の技量により、実施できる医療機関が限られます。
下記、当院での件数実績です。
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検査件数(2022/7月-2024/12月):477件
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◆適応者
細胞診(子宮頸がん検査)の結果がASC-USかつHPV陽性の方、もしくはLSIL以上の方
(ASC-USの方はHPVハイリスク検査から)
※結果がASC-H、HSILの方は、コルポスコピーの結果次第でレーザー蒸散等の適応となり、他院へ紹介させていただく場合がございます。
◆予約
WEB予約必須:「公美子医師」からお取りください
※時間指定あり(AM9-12:30/PM2-4:00まで)
※午前8時台は予約が混み合うため、お受けしておりません。
◆所要時間
多少の出血を伴う可能性のある検査です。
検査は約5分ですが、その後30分程度院内待機が必要となる場合があります。
(待機なしでご帰宅できる場合がほとんどです)
子宮頸がん精密検査
③HPVジェノタイプ
ハイリスクHPVの中で、どの型に感染しているかを調べる検査です。
コルポスコピーの結果、軽度or中等度異形成の診断となった方がHPVジェノタイプを行い、結果によって経過観察か次の治療ステップへ進むかを判断します。