フェムテックという言葉、ご存じですか?
フェムテック(femtech)とはFemale(女性)+Technology(技術)を掛け合わせた造語で女性の健康問題をテクノロジーで解決する製品やサービスのことです。
月経困難症及び月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome)による女性のパフォーマンス低下で1年間に4900億円の損失といわれ、治療することで1年間に2400億円の経済効果があるといわれています。
月経困難症の原因を知り、ピルやホルモン剤などをうまく使って、生理痛から解放されませんか。学業・仕事・趣味など思う存分満喫できるようサポートをいたします。(思春期の方にはミニピルという骨塩量や血栓に影響を及ぼさないお薬もあります)

診察のながれ

・問診

・可能な範囲内での内診と超音波検査(超音波は一般的には経腟ですが、ご希望により経直腸もしくは経腹に変更可能です。内診は患者様の同意が得られた場合のみ施行します。)

・薬剤(ピル、ホルモン剤等)のご提案(以後のオンライン診療についてはご相談ください)

月経困難症とは

月経困難症は女性の25%以上に認められ、若い女性に限ると40%以上といわれ、とても多くの女性がそれにより最高のパフォーマンスができなくなっています。
月経痛とは、卵胞発育に伴い増殖した子宮内膜がはがれる際にプロスタグランジンという物質が産生され、その作用で子宮を収縮させて月経血を排出させる合理的な作用ですが、子宮の筋肉の血管を攣縮させて子宮筋の低酸素状態を招くことから痛みを発生するといわれています。
月経困難症には、器質的な疾患がないのに月経時に痛みを伴う機能性月経困難症と、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮奇形といった疾患によって月経時に痛みを伴う器質性月経困難症があります。
初経後2~3年経って排卵するようになると月経困難症が起きやすくなるといわれていますが、初経を迎えたばかりの頃は、子宮が小さいために固い頸管を月経血が流出する際に神経反射による痛みを生じたり、月経をネガティブにとらえることによって痛みを生じたりすると考えられています。
若年女性は機能性月経困難症が多いと考えられていますが、機能性と思われる方のうちかなりの方が子宮内膜症による器質性月経困難症によるといわれています。また機能性月経困難症は将来子宮内膜症を発症する可能性が高いといわれています。
治療は痛みに対する治療が主で、ピルへの抵抗感もあり鎮痛剤を投与することが多いですが、鎮痛剤でコントロールが難しい場合や今後内膜症への移行が懸念される場合、またピルにはほかの副効果もあるため良さがわかっていただける場合はピル(種類によっては保険適応)を用います。(詳細はピルのページへ)
最近28日周期で月経を起こさずに数か月連続投与可能なピルも保険適応になっており、学校生活やイベント、ライフスタイルに合わせて、月経が来る時期を自ら調整することが可能です。

月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome)とは

月経前3-10日続く精神的身体的症状で、月経開始ともに消失するものをいいます。
原因はわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。排卵がある女性はエストロゲンとプロゲステロンが分泌されますが、排卵後の黄体期後半にエストロゲンとプロゲステロンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことがPMSの原因と考えられています。ホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響も受けるために、女性ホルモンの低下だけではなく多くの要因から起こると考えられています。
精神神経症状としては、情緒不安定・イライラ・抑うつ・不安・眠気・集中力の低下・睡眠障害、自律神経症状としては、のぼせ・食欲不振・過食・めまい・倦怠感、身体的症状としては、腹痛・頭痛・腰痛・むくみ・お腹の張り・乳房の張りなどがあります。
特に精神症状が強い場合は月経前気分障害(PMDD:premenstrual dysphonic disorder)のこともあります。
診断方法は、症状が毎月現れ月経開始とともに和らぐことが特徴です。症状を記録し、月経との関連を確認し、PMDDやうつ病ではないことを確認します。
約80%の日本人女性に何らかの症状があり、そのうち5%が生活に困難を生じるほど強いPMSを示します。
治療法には薬による方法と薬によらない方法があります。
薬によらない場合は、症状日記をつけ病状を理解し把握することで対処しやすくなります。気分転換をしたり自分が心地いいと思えるセルフケアを探します。またカルシウムやマグネシウムを積極的に摂取し、カフェイン・アルコール・喫煙は控えたほうがいいといわれています。
薬による治療には排卵を抑える方法や症状に対する治療または漢方療法があります。
排卵が起こり女性ホルモンに大きな変化があるのが原因なので、排卵を止めることで症状が軽快します。ピルは少ないホルモン量で排卵を止め、副作用が少ないです。服用をやめるとすぐに排卵が回復し、その後の妊娠には影響ありません。
また痛みに対しては鎮痛剤、むくみに対してアルドステロン療法、精神症状や自律神経症に対して、精神安定剤やSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)を使用します。